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歌詞を書く前にやるべきこと PART2

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歌詞を書く前にやるべきこと PART2

作詞募集概要と実践の具体例

前の記事  『歌詞を書く前にやるべきこと PART1に続き、例を元にして実際に募集概要を掘り下げてみましょう。

  募集概要の一例

今回募集させて頂く楽曲は今年デビューした新人アーティスト
◯田◯美、10月リリース予定のシングル曲です。


【歌詞のテーマ】

・10代の女性目線

・おおまかなテーマは「恋愛」

・アイドルソングなのでキラキラ感は必須。

・サビで繰り返されるメロディにはキャッチーな言葉が欲しい。

・ライブで盛り上がるもの

(添付されていた楽曲は王道のキラキラアイドル曲)

 

この依頼を受けて、私ならば次のような進め方をします

 

≪ 考察1 ≫
とても明るい楽曲なので恋愛の中でも「片思い」、
もしくは「両思いだけど付き合ってはいない」くらいがテーマとしては良さそう。

また、新人アーティストということで、ファンもまだ少なく絶賛売り出し中という想像ができる。

これは今までのアイドルを真似たような歌詞を書かずとも、斬新なものでも彼女にピッタリくれば採用されるもしれない!

新人アーティストはデビューをしたものの、まだ「これだ!」という売りが決まっておらず、一先ず楽曲をリリースしながら様子を見る、というパターンも多いです。
よって、新人=自分の歌詞を売り込むチャンスとして受け取ることも出来るわけです。

 

≪ 考察2 ≫
事前にアーティストの情報を調べたところ、実際の彼女は人見知りで、現代っ子にありがちなインドア派。

しかも家で深夜アニメを見るのが大好きという情報を入手。

また、過去の曲を探してみるとYouTubeで数曲発見。
見た目とは裏腹に声が大人びていて、歌唱力がシッカリとしている。

これは可愛いが取り柄のアイドルとは違って、すこしねじれた考えを歌詞にしたらハマるかもしれない!

ただねじれているだけでは募集内容から離れてしまうので、ギリギリ可愛いという許容範囲を守って作詞をしていこう。

 

≪ 考察3 ≫
リリースが秋なので、季節感のある言葉を上手く使って楽曲の中に良い意味での「ギャップ」を作るのも良いかもしれない。

「ライブで盛り上がる曲」ということは、サビの繰り返しはアイドルファンが合いの手を入れたくなるような、
もしくは一緒に歌いたくなるような、できるだけ単純で面白い歌詞を目指そう!

 

これはひとつの例に過ぎませんが、この様に掘り下げていくことで
メールには書かれていない「依頼人が本当に欲しい歌詞」に近づくことが出来ます、


あまりにも見当違いなアイデアを想定して押し付けてしまうのは良くないですが、
ただ「募集概要」を見ただけでは思いつかないであろうシチュエーションや言葉にたどり着くことも出来ます。


そしてこれは  「自分だけの歌詞」を書く方法の記事で書いた、作詞家の「オリジナリティ」にもつながることです。

メールでは語られない本音の部分を汲み取った歌詞、
もしくは依頼主の想像を超えた良い歌詞を提出する。

毎回それくらいの意気込みでコンペに望むことで、確実に作詞力は上昇し、
自分が思っていた以上の作品を生み出すことが出来るはずなのです。

 

by 純乃 吟 ( PRODUCERS,INC )

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