『プロに近い歌詞の書き方 Vol.1』でお話した事を実践してみた後、
仕上がっている楽曲が目の前にあると仮定し、いよいよ作詞の始まりです。
よりプロらしい作詞の順序を知る
テーマを考えよう!
まずはこれから各歌詞のテーマを決めます。
コンペの募集内容にあるテーマはもちろんのこと、楽曲から受けるイメージも大切にしましょう。
これは歌詞を書く上でとても基本的なことになりますが、
Aメロ、Bメロ、サビを通して、伝えたい事がブレていてはいけません。
どこを切り取っても主人公の想いが一貫しているのが良い歌詞と言えるでしょう。
歌詞の内容をブレさせないためにも、まずは書く前にテーマをしっかりと決めることが必須です。
例えばサビのメロディにハマる言葉が先にでてきてしまい、それを頼りにテーマが曖昧なまま書き進めてしまうと、
結果的に着地点のない、中途半端な作品になってしまいます。
テーマが決まったなら、次は楽曲を「Aメロ」「Bメロ」「Cメロ(サビ)」に分けていきましょう。
書き方の順序を知ろう!
現在のポップスで主流と言える展開の仕方は、
もしくは、
となります。昨今では
と、サビが曲の頭に来るという場合も多くなってきました。
これは 『およそ5分でリスナーに伝える歌詞の世界』でも記述したことにも繋がりますね。
楽曲を「Aメロ」「Bメロ」「Cメロ(サビ)」に分ける事ができたなら、
それぞれの文字数の確認もシッカリとしていきましょう、
まずはサビから!!
今回はポップスの王道の展開
こちらを例にして、それぞれの歌詞の書き方のポイントを見ていきましょう。
何はなくとも、まずはサビから書き始める事をお勧めします。
サビは、その楽曲中の最も大切なメッセージを伝える部分だと考えて下さい。
A → B → サビ と悠長に書いていては、サビに辿り着くまでに状況がどんどんと絞られてきてしまい、最終的には自分の首を絞めかねません。
特にAメロやBメロで「これだ!!」という歌詞がついてしまった場合はとても危険です。
サビに最もインパクトを付けなければいけないと頭では分かっていても、
Aメロ,Bメロで出来てしまった良い歌詞を変えることが出来ない、、、
結果サビを妥協してしまう。なんていう状況に陥ることは絶対に避けたいところです。
こういった苦しい状況を避けるためにも、ポップスはサビから書いていくことを強くお勧めします。
また、 『良い歌詞は「語りすぎない」』でもお伝えしたような、
「サビだけ聴いたリスナーにも全体のテーマを分かってもらえる」
そんなサビを目指すためにも、「サビから書き始める」のはとても理にかなった方法と言えるのです。
そんなサビの中でも、 『プロに近い歌詞の書き方 vol.1』でもお話したように、
まずは特に耳に飛び込んでくる「推しメロ」を探しだし、その部分から言葉をつけていきます。
この時、アマチュアの作詞家さんに共通して見られる「作詞の落とし穴」があります。
『良い歌詞は「語りすぎない」』の回でもお伝えしたように、
作詞家の「ちゃんと伝えたい」想いが先行するあまり、説明がちな「文章」として歌詞を書いてしまう人が非常に多いのです。
せっかく作曲家がキャッチーなメロディを作っていても、
なんていう歌詞を付けてしまっては、とたんに垢抜けないサビになってしまいます。
サビを書くときのコツ
サビを書く時に意識すべきこと。それは「シーンを切り取る」ということです。
サビは重要だから、ちゃんと伝わるようにアレもコレも書きたい!
そう思う気持ちはわかります。
しかし「サビ」は、海外では「コーラス」とも言われるように、
「皆で声を合わせて歌う」事ができるイメージで歌詞を書いていくことが大切です。
そのためにも伝えたい事をギュッと絞り、より瞬間的な場面を設定して書いていくのが良いでしょう。
「一枚の絵画を見るように歌詞を書いてゆく」
これは有名な作詞家さんが仰っていた言葉です。
曲を、歌詞を聴いたリスナーさんの中に、一枚の絵画のようなワンシーンを創りだす。
そんなイメージでサビを書いていきましょう。
by 純乃 吟 ( PRODUCERS,INC )
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