作詞

プロに近い歌詞の書き方 Vol.1

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プロに近い歌詞の書き方 Vol.1

曲先パターンでの作詞順序

ここでは「曲先(決まった楽曲に歌詞をつける)」パターンでの作詞の手順をお教えします。

 icon-check-circle 1. 楽曲を聴きこむ

前の記事 icon-pencil-square-o 『歌詞を書く前にやるべきこと PART3』でも書いたように、

メールに添付されてくる採用楽曲をよく聴き込み、アレンジやメロディの動きからイメージを掴んで下さい。

  2. 楽曲のボリュームを知る

楽曲全体の長さ、実際にアーティストが歌うメロディ(文字)の数、展開の仕方をチェックします。

この作業により、「曲の展開が早くてAメロで伝えたい歌詞が入りきらない」などのアクシデントを防ぐことが出来ます。

  3. 楽曲の一番の「推しメロ」を見つける

通常のポップスでは、大体がサビの頭、もしくはサビの終わりに盛り上がりのポイントが来ているはずです。

楽曲の最大のポイント、ここをリスナーに聴かせたい!というポイントは絶対に外すことは出来ません。

  4.  作曲家の「こだわり」を大切にする

楽曲1曲の中には(3)でもいったように必ず「推しメロ」があります。

しかしその他にも作曲家がこだわって作った箇所というのが所々に点在しているはずです。

それは「作曲家のこだわり」だけにとどまらず、その楽曲が採用されることとなった大切なポイントとなるはずです。

このポイントを無視して良い歌詞は仕上がりません。慎重に言葉を選ぶ箇所だと把握して下さい。

  5.  実際に歌ってみる

ラララ icon-music で結構です。出来るだけ対象アーティストになりきって実際にメロディを歌ってみましょう。

そうすることでメロディに呼び寄せられるようなかたちで意外な言葉が浮かんで来るなど、

聴いているだけでは気付けないような良い発見があるでしょう。

  6.  書き始めは「一番の推しメロ」から!

アマチュアの作詞家によくありがちなのは、楽曲の頭から流れるように歌詞を書こうとすることです。

これだとストーリーは上手く表現できたとしても、パンチのない歌詞になってしまうでしょう。

まずは何を置いても「推しメロ」に全力投球すること。他の部分はその後です。

 

作曲者への敬意

少し話はそれますが、作詞家を生業とする上では避けては通れない「作曲者」との関係についてお話します。

 

前の記事  『「商品」として歌詞を書くということ』の中でも少しだけ触れましたが、

歌詞というものは、メロディがあって、それを歌うアーティストがいて初めて意味を持ちます。

 

歌詞とメロディというものは切っても切れない関係性であることは間違いないのですが

以前知り合いの音楽関係者からこのような言葉を聞いたことがあります。

 

「良い曲には良い歌詞がのり得るが、
良い歌詞に良い曲がのるとは限らない」

 

この言葉に、当時作詞家として活動し始めたばかりの私は心のモヤモヤを隠せずにいました。

「歌詞」というのは、音楽の中において「曲」よりも存在が薄いと解釈したのです。

 

どんなに頑張って良い歌詞を書いても、

その曲が売れるのは「歌詞の良さ」ではなく「曲の良さ」からなのか、、、と落胆していました。

 

実際にはそこまで極端な話ではないということは、作詞家の活動を進めていく上で直ぐに理解できました。

歌詞にもメロディがなければ成立しないのと同様に、曲も歌詞がないと「歌」として成立しないのです。

 

お互いの立場はイーブンです。優劣があるわけではありません。

しかしあの言葉の記すように、

 

「良い曲に巡りあう」という事が
作詞家にとってもとても大きなチャンスになる!」

 

ということは間違いのないことだと、今でも感じています。

 

まだ歌詞のない状態でも、心震えるような素晴らしい楽曲が依頼者から送られてきた時、

そんな時は作詞家としての職人魂にボッと火がつきます。

 

作曲家は、例え一度もお会いすることがないとしても

音楽を通して心を交わせる友人のようであり、一方では「この曲に良い歌詞がのせれるのか」と試されているようでもあり、

同じ時代の音楽業界で互いに必死に生き抜いている、称えるべき戦友であるといえるのです。

その作曲家が一所懸命作った楽曲であることを肝に銘じ、

ひとつひとつの音に文字をのせていく。


作詞は孤独な作業ですが、常に「見えない仲間」との共同作業だということを忘れないで下さい。

それが後にプロとしての「責任感」になっていくことでしょう。

by 純乃 吟 ( PRODUCERS,INC )

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