前の記事『オリジナリティのある歌詞とは』では自分の言葉の重要性について書きました。
しかし突然「あなたの言葉で歌詞を書いて下さい」と言われても、
どこか聴いた事があるような、ありきたりな言葉しか浮かんでこない。
これが普通です。
今まで聴いてきたポップスによって、
皆さんの頭の中は「歌詞として使い古された言葉」で汚染されてしまっています。
今回は自分らしい言葉を見つけるポイントを幾つか書いていきたいと思います。
1つの思いを100通り
「プロの作詞家になりたいのなら、1つのテーマで100通りの歌詞を書けるようになりなさい」
これは私が作詞家になりたての頃、とある先輩に言われた言葉です。
実際、一つのことをテーマに100通りの歌詞を書いたことはありませんが、
作詞家を生業としている今、この言葉の意味はとてもよく理解できます。
実際のポップスでテーマとなるシチュエーションは、実はとても限られています。
その中でもとても多いのが、皆さんも御存知の通り「恋愛」をテーマにした歌。
「恋愛」はどんな人にでも一度は訪れるので、多くの人に共感してもらいやすい
ポップスにはうってつけのテーマだと言えるのです。
ですので実際「恋愛」をテーマとした歌詞の依頼は非常に多いです。
寝ても覚めても恋愛の歌詞を書かなければならない、なんていう状況も珍しくありません。
しかし実際に経験した恋愛なんて、きっと両手で数えるくらいでしょう。
とはいえ似たような歌詞を提供するわけにはいきません。
そんな時に「1つのテーマで100通り書ける」というスキルがとても大切になってきます。
歌詞を輝かせる言葉の原石を探せ!
とはいえ、丸々一曲分の歌詞を100個作るのはとても大変です。
そこで例えば「失恋」に関して皆さんの思いつく言葉を20個、書き出してみてください。
「哀しい」「涙」「思い出」「ケンカ」「ひとりぼっち」「メール」
など、一般的に失恋から連想される言葉がまず出てくるのではないでしょうか?
その言葉が出尽くした後がとても重要になります。
例えば私ならその後に浮かんでくる言葉には、
「午後の日差し」「渋谷のカフェ」「ドライヤー」「灰皿」「渋滞」「キッチン」
などがあります。
これは一見、失恋とは全く無関係と思われる言葉です。
しかし、私の中では失恋と深く関わる言葉たちなのです。
そしてそれこそが、その作詞家のオリジナリティといえる部分になります。
何かひとつテーマを決めて、そこから連想される言葉をできるだけ沢山書き出してみる。
単純な作業のようですが、書き終わった後の言葉たちには、
その人のオリジナリティが非常に濃く現れているはずです。
そしてその言葉たちが、今後書く歌詞に輝きを与える、大事な原石のひとつとなり得るのです。









